交通事故は、片方だけが悪いということよりも、双方が悪いという場合が圧倒的に多いでしょう。
事故を起こしそうな人と、事故を起こしやすい人が出会ったときに交通事故は発生します。
そして、怪我がなくても、訴えたり、怒ったり、口惜しい想いをすることになるのです。
事故のないように余裕をもった運転を心がけましょう。
あの事故はひどかった。
私が20歳だった頃のことです。
新車を運転して意気揚々と往路を進んでおりました。
時速は60キロを超えての運転だったのでかなり早いスピードでした。
そこへ、おんぼろのセダンが近づいてきたのです。
残念ながらよけきれずに、接触しました。
2車線あります右折レーンで、おんぼろセダンがこちらにハンドル切ってきたのです。
こちら新車であちらはおんぼろセダンです。
当然、若かりし私は憤り、おんぼろセダンに停車を求めました。
警察の方に相談しますと、すぐにきてくださって事故処理をしてくださいました。
当方に非がないないということを申し上げますと、交差点内での進路変更は違法ではないというのです。
よけきれないくらいの運転をされたといいますと、「警察署まで来てもらいましょう。」ということになりました。
しかし、相手の女性は、「薬を飲んでいてしんどいの。家に帰らなきゃ。私が全部悪いんだから」と言って帰って言ったのです。
双方保険対応となったのですが、割合はなんと五分五分でした。
私は新車の損害で非常につらいです。相手はたくさんある車の傷、ぼっこぼこの車でしたから、傷が一つ増えたくらいでした。
会社では同僚が「奥さんの車、もう15年になるから廃車するんだけれども、この間当たったんだ。修理代金が儲かった。」という話をしていました。
私のミスはここからです。
私は悪くないんだから、何とかしてよ、と警察署に言いに行ったのです。
交通事故は十対ゼロはありえない、ということなど知らない若者だったのです。
警察は民事訴訟には介入しない、というすげない答えが返ってくるだけでした。
事故処理のときの、傷の場所や道路に引いた線のことをもっと教えてくださいといいますと、それは教えられないというのです。
ひかれてしまった。
会社の帰り道、家の近所まで戻ってきていました。
自転車にのって、午後七時過ぎの道を帰ります。
その日は車が混んでいまして、いつも曲がります家の交差点が曲がりにくい状況になっていました。
自転車を降りて、止まっている車の後ろを通過したときです。
車が急にバックしたのです。
私は跳ね飛ばされて、自転車はぐしゃりと音を立てて壊れました。
呆然としましたが、黒いワンボックスカーはブレーキを踏んだままで、誰もおりてくる気配はありません。
勢いよく、「なにするのよ。」とドアを開けますと、運転手がおりてきました。
道を間違えたからバックしようと思ったというのです。
そして、運転手は20ばかりの男の子で、その両親と、その伯父と伯母がおりてきました。
私も20ばかりでしたが、こんなに乗っているのに、誰一人降りてこないなんて信じられないと思いました。
私は自分で警察を呼びました。二人組の警察官の方が車両で到着されました。
ひかれた私は奇跡的にかすり傷でしたが、ひいたほうの男の子は誤りもせずに、後ろが見えなかったと言っていました。
警察官の方は車の傷を調べて記録をして、道の状況をチェックしていました。
そして、後ろが見えなくても、人をひいてはいけないと男の子に諭しておられました。
男の子の母親が私に「ごめんね。」と言ってきていました。